つまり、女性が振り返ってから駆け出すというような、あからさまに「あなたが危険に見えるので逃げます」という態度を取った場合、相手が本当に警戒すべき相手であった場合はもちろん、そうでない場合にも反感を買い、危害を加えられる可能性が上がるのではないかと考えてしまう。逆上され、本気で追いかけられたら、ハイヒールで逃げられるのか。

 機嫌の悪そうなタクシー運転手に当たると、なるべくそれ以上機嫌を損ねないように下から下からの態度に出てしまう心境と似ている。怖がりすぎだと思うだろうか。

 しかし先日、ツイッターで「相手の機嫌」に関して話題になっていた。

「疑う態度はいかがか」とキレる人
どっちが自意識過剰?

「帰宅の途中にかなり暗くて長い坂道がある。私の後ろに、私よりは年上らしい男性が歩いているのは知っていた。でもまあなんとも思わず、そのうち坂の途中で仕事がらみのLINEが来て、立ち止まり返信した。傍を彼が追い越して行った。返信を終え顔を上げると、数メートル先で立っている彼→」(@sonzaru/2022年3月11日 0:19

 ここからの連続ツイートで語られているのは、その男性から「僕、怪しい者じゃありませんよ」「僕を避けようとして、立ち止まりましたよね」「人を疑う態度はいかがかと思うよ」などと言われた、というエピソードである。

 このツイートは1万件リツイートされ、3.7万件のいいねを集めた。「人を疑う態度はいかがかと思うよ」と言われたツイート投稿者に、深く同情する。

 ツイート投稿者は男性を警戒したわけでもなんでもなく、立ち止まって返信作業を済ませたまでだ。筆者も、歩きスマホにならないように道の横によけて立ち止まってスマホで作業をすることがあるので、よくわかる。

 この場合、この男性の方が「自意識過剰」だし、たとえ危害を加える意図が元々なかったとしても、見知らぬ相手に対して二言、三言言い募っている時点で十分怖い。

 また、もしもこれが本当に男性を警戒しての言動であったとしても、女性は「警戒しているわけではなく、スマホを見ているだけだよ」というカモフラージュをしているわけであり、あからさまに警戒感をむき出しにしたわけでは決してない。そうであっても腹に据えかねるというのなら、もうどうしたらいいのか。

 これから夜桜が楽しい季節となるが、その前に改めて考えさせられたツイッター論争だった。