プロゲーマーの女性による「170センチないと人権ない」発言が大きな話題になった。そんな中、で「人権」という言葉をカジュアルに使う流行が背景にあったと指摘する声がある。本来の言葉の意味から離れてカジュアルに使われる言葉と、その危険性を考えた。(フリーライター 鎌田和歌)
ネット上にあふれる誇張表現のカジュアル化
「人権がない」という言葉が話題になっている。発端はプロゲーマーの女性が「170ないと、正直人権ないんで。170センチない人は『俺って人権ないんだ』って思いながら、生きていってください」と発言した動画配信だ。
ウーバーイーツの男性配達員から連絡先を聞かれたことを迷惑に感じ、その男性の身長が高くなかったことからこのような発言に至ったようだ。この件は大きく炎上し、女性は所属事務所から解雇されている。この発言を非難する世論が多いが、中には解雇は行き過ぎだという声もあるようだ。
今回考えてみたいのは、ネットやメディアなどで使われる大げさな誇張表現である。
筆者は今回の件で初めて知ったが、「人権がない」は一部ではかなりカジュアルに使われる用語であるらしい。たとえば「Wi-Fi飛んでない。人権ないわ〜」「メイク失敗したから今日人権ない」などといった使い方をするらしい。
もともとは、ゲームを攻略するのに必要な「人権キャラ」と言われるキャラクターや装備品などを表すゲーム用語だという解説記事もあった(人気女性プロゲーマー炎上の不適切発言「人権ない」、実はゲーム用語(スラング)/篠原修司)。
ゲーム業界では「人権がない」以外にも「脳死プレイ」など誇張的な表現が他にもあり、ゲーマー界隈で使われているからといってそのノリがどこでも了承されるわけではない、という内容の指摘がこの記事の中でもなされている。
ネット上で議論が盛り上がる中で、誇張表現がカジュアル化する危険性を指摘するものもいくつかあった。
たとえば『「人権」をスラング的に使うことの是非が話題になってるけど、本来重い意味なのにカジュアルに使われちゃってる言葉たくさんあるよねという話』では、「人権」以外の例が複数挙げられている。
いくつかをピックアップして、簡単に解説する。