マクドナルドPhoto:Diamond

コロナ禍が3年目に突入し、多くの業界や企業のビジネスをいまだに揺さぶり続けている。その対応力の差によって企業の業績は、勝ち組と負け組の格差が拡大している。そこで、上場企業が発表した直近四半期の決算における売上高を前年同期と比べ、各業界の主要企業が置かれた状況を分析した。今回は日本マクドナルドホールディングス、モスフードサービス、日本KFCホールディングスの「ファストフード」業界3社について解説する。(ダイヤモンド編集部 笠原里穂)

日本マクドナルドホールディングス
一部商品の販売制限でも増収

 企業の決算データを基に「直近四半期の業績」に焦点を当て、前年同期比で増収率を算出した。今回の対象は以下のファストフード業界3社。対象期間は21年10~12月期としている。

 各社の増収率は以下の通りだった。

・日本マクドナルドホールディングス
 増収率:8.4%(四半期の売上高811億円)
・モスフードサービス
 増収率:3.2%(四半期の売上高206億円)
・日本KFCホールディングス
 増収率:5.6%(四半期の売上高266億円)

※モスフードサービス、日本KFCホールディングスは収益認識に関する会計方針の変更を行っているが、各社の開示方法に準じて、前年同期の売上高と増収率には同変更を遡及適応していない。

 ファストフード業界3社はいずれも前年同期比で増収となった。日本マクドナルドホールディングス傘下の日本マクドナルドは、12月に「マックフライポテト」のM、Lサイズなど一部商品の販売を休止している。新型コロナウイルス禍における物流網の混乱や天候不順の影響だ。しかし、日本マクドナルドホールディングスの増収率は前年同期比8.4%と高い数値を記録している。

 次ページでは、各社の増収率の推移を紹介するとともに、日本マクドナルドホールディングスの業績について解説する。