ここは迷うことなく、(3)成行売りの一手です
三十六計逃げるにしかず。どんな買いシグナルも、それを打ち消す「強い下げ」が出れば、「強い売りシグナル」に変わります。それができれば、あなたは上級者です。
問題は注文の出し方です。確実に売れる「成行」にしましょう。保有株に緊急事態(とんでもない悪材料)が起こった時は、少しでも早く保有を無くすことを最優先すべきです。
東京証券取引所のルールにより、この日の最大値幅は300円です。つまり、J社は前日終値が1312円でしたから、300円安の1012円までしか下がりません。
そこまで株価が下がって買い注文が無くなると「ストップ安」「売り気配」となり、その後は取引が成立しなくなります。わずかなリバウンドに期待して指値売りを出している間に「ストップ安・売り気配」となって売買ができなくなると、悔やんでも悔やみきれません。次の日また売り気配で始まり、さらに大幅安となることもあるからです。
この問題は、Q3と同パターンです。「めったに起こらない不幸に遭遇したら、ただ損切りするのみ」を、しっかり肝に銘じていただくために重ねて出題しました。
チャートの売買シグナルを覚えて、そのパターンに当てはまるチャートを探すことに一生懸命になり過ぎると、その買いシグナルが外れた時にどうしていいかわからなくなる人がいます。シグナルが外れたら、売るだけです。
(本稿は、『株トレ――世界一楽しい「一問一答」株の教科書』から抜粋・編集したものです。)