巨大IT企業のリストラの基準は? 日本人には「逆風」のリスキリングPhoto:PIXTA

世界96カ国で学んだ元外交官である筆者が、「リスキリング」の世界的トレンドが日本人の“逆風”になる実態と、実際に取り組む際の注意点を説く。(著述家 山中俊之)

巨大IT企業のリストラの基準は?
新しい付加価値につながろうとしない人

「リストラ対象になる人は、新しい付加価値につながろうとしない人、自ら学ぼうとしない人だ」

 米国西海岸にある巨大IT企業を訪問した際、管理職のマネジャーにあれこれ質問していたところ、こんな答えが返ってきた。

「成果が出ない理由には、運もあるだろうし、時間がかかっている場合もある。成果が出るまで待つ姿勢が大事だろう。しかし、自ら新しいことを学ばない人は、話にならない」(同マネジャー)

 今、ビジネスパーソンに向けて盛んな「リスキリング(reskilling)」の重要性を示すエピソードだといえよう。

 それでは、なぜ今リスキリングなのか。そして日本人ビジネスパーソンにとっては、リスキリングが「逆風」となる実態と、具体的にリスキリングで注意すべき点を、述べてみたい。