印象戦略コンサルタントとして多くの経営者や政治家をクライアントに持つ乳原佳代氏は、初の著書『学校でも会社でも教えてくれない「見た目」の教科書』の中で、自らが考案した「TPO×PPP=Iの法則」をビジネスに使うことで、印象を戦略的にプロデュースすることができると言います。まず最初に考慮する必要がある「Time(時間)」がいかに印象戦略と関係しているのか、その重要性を本書の中から抜粋してお届けいたします。
なぜ時間によって印象戦略を変えるのか
私が印象戦略を行う上で重要としているのが「TPO×PPP=Iの法則」です。日ごろから経営者や政治家の方々にそのテクニックをお伝えする中で考案したオリジナルの手法なのですが、冒頭の「T」は時間帯のことを指します。
「印象戦略に時間帯なんて関係あるの?」
日本人である私たちがそう思うのも無理はないのですが、実は欧米では洋服を時間帯によって変えることはめずらしくありません。外国の方と仕事をしたことがある人なら、昼のビジネススーツから一転、夜のディナーではフォーマルなスーツに身を包む様子を目にした人もいるのではないでしょうか。
服装を時間軸で考えるとき、大切なのは素材と色です。
男性の場合はやはりネクタイがポイントとなります。朝一番に大事な営業があるなら、コットン混紡やレップタイ(畝織りの生地を使ったネクタイ)で朝のさわやかな空気を味方にできます。
立場や年齢にもよりますが、落ち着いた濃紺よりも、朝の躍動感をイメージさせる明るめの色をおすすめします。逆に、夜の接待では、光沢がある素材のネクタイで華やかさを演出します。