小宮山・早稲田の2022年シーズン、チームに覇気があっても監督が苦言を呈する理由早大野球部と明治安田生命との試合(2022年3月26日) 撮影:須藤靖貴

球春到来。小宮山悟監督は「チームに覇気がある」と手応えを口にする。しかし、課題もある。打線が好調な一方、エース不在の投手陣には不安があり、監督が苦言を呈することもしばしばだ。小宮山が自身の現役時代の経験を踏まえて指導に当たる中、2022年シーズンが開幕する。(作家 須藤靖貴)

2022年シーズンが開幕
今年は「チームに覇気がある」

 さあ球春、2022年シーズンの開幕である。

 年度始めのこの時季、満開の桜を見上げるときまって思い出す歌がある。

 今やかの三つのベースに人満ちてそぞろに胸の打ち騒ぐかな  子規

 満塁! この場面の興奮を鮮やかに切り取って間然するところがない。攻撃陣の大チャンス、守備側は大ピンチ。どちらのひいきでも胸が震える。「打ち」の語感がいい。

 春風とともに朗報も届いた。東京六大学春季リーグ戦は従来通りの勝ち点制で行われる。19年秋季以来、コロナ以前のリーグ戦に戻る。

 4月に入り、東京の桜も満開となった。東伏見・安部球場のネット裏、安部磯雄、飛田穂洲両氏の胸像にかぶさるソメイヨシノも咲きほこっている。

小宮山・早稲田の2022年シーズン、チームに覇気があっても監督が苦言を呈する理由安部磯雄、飛田穂洲両氏の胸像と桜 撮影:須藤靖貴
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 小宮山悟監督の表情も晴れやかだった。

 チームに覇気がある。

「特に3年生が元気。元々力のある部員たちが上級生になったことで、伸び伸びやっている」

 1月から厳しく走りこみ、2月下旬からはオープン戦。今季は多くの実戦を組み、あらわとなった課題を持ち帰って練習する。その繰り返しで力を上げてきた。オープン戦緒戦、強豪・ENEOSには2‐19と大敗したものの、「いい経験。自分たちの課題が見えたはず」と監督はうなずくばかりだった。

2022年の早大は打線好調だが…
小宮山監督が投手陣に苦言

「打たなきゃ勝てない。それを皆が分かっている」