球春到来。小宮山悟監督は「チームに覇気がある」と手応えを口にする。しかし、課題もある。打線が好調な一方、エース不在の投手陣には不安があり、監督が苦言を呈することもしばしばだ。小宮山が自身の現役時代の経験を踏まえて指導に当たる中、2022年シーズンが開幕する。(作家 須藤靖貴)
2022年シーズンが開幕
今年は「チームに覇気がある」
さあ球春、2022年シーズンの開幕である。
年度始めのこの時季、満開の桜を見上げるときまって思い出す歌がある。
今やかの三つのベースに人満ちてそぞろに胸の打ち騒ぐかな 子規
満塁! この場面の興奮を鮮やかに切り取って間然するところがない。攻撃陣の大チャンス、守備側は大ピンチ。どちらのひいきでも胸が震える。「打ち」の語感がいい。
春風とともに朗報も届いた。東京六大学春季リーグ戦は従来通りの勝ち点制で行われる。19年秋季以来、コロナ以前のリーグ戦に戻る。
4月に入り、東京の桜も満開となった。東伏見・安部球場のネット裏、安部磯雄、飛田穂洲両氏の胸像にかぶさるソメイヨシノも咲きほこっている。
拡大画像表示
小宮山悟監督の表情も晴れやかだった。
チームに覇気がある。
「特に3年生が元気。元々力のある部員たちが上級生になったことで、伸び伸びやっている」
1月から厳しく走りこみ、2月下旬からはオープン戦。今季は多くの実戦を組み、あらわとなった課題を持ち帰って練習する。その繰り返しで力を上げてきた。オープン戦緒戦、強豪・ENEOSには2‐19と大敗したものの、「いい経験。自分たちの課題が見えたはず」と監督はうなずくばかりだった。
2022年の早大は打線好調だが…
小宮山監督が投手陣に苦言
「打たなきゃ勝てない。それを皆が分かっている」