働きながら3年で、9つの資格に独学合格! 大量に覚えて、絶対忘れないノウハウとは?
「忘れる前に思い出す」最強のしくみ、「大量記憶表」を公開!
本連載の著者は棚田健大郎氏。1年間必死に勉強したにもかかわらず、宅建試験に落ちたことをきっかけに、「自分のように勉強が苦手な人向けの方法を編み出そう」と一念発起。苦労の末に「勉強することを小分けにし、計画的に復習する」しくみ、大量記憶表を発明します。棚田氏の勉強メソッドをまとめた書籍、『大量に覚えて絶対忘れない「紙1枚」勉強法』の刊行(2月9日発売)を記念して、棚田氏の寄稿記事を公開します。

「お前のせいで大損した、弁償しろ!」定期借家の怖すぎるトラブルPhoto: Adobe Stock

不動産の怖い話ーー定期借家に気をつけて

 本日は、定期借家トラブルについてお話しします。宅建の勉強では詳しく習いませんが、実務ではしばしば発生するトラブルです。実際にあった事例をもとに解説します。

【事例解説】
 ジョンがアパートを所有していて、定期借家でマイケルに貸していました。その後、ジョンがアパートを売りたいと私(媒介業者)に依頼してきました。

 私が募集に出したところ、「そのアパートを買いたい」とダニエルが名乗りをあげました。いったん登場人物を整理します。

ジョン:アパートの所有者
マイケル:アパートを借りている人
ダニエル:アパートを買いたい人

 ダニエルはマイケルが嫌いだったので、「マイケルが退去するなら買う」と言いました。するとジョンは言いました。

「大丈夫。マイケルはあまり信用できないから、もともと定期借家で貸しているんだ。ちょうど来月で契約期間満了になって、退去するから大丈夫だよ

 安心したダニエルは「マイケルが決済前に退去すること」を条件にして、ジョンと売買契約を締結しました。

 ここまではよかったんです。ところがこの後思わぬことが発覚します。

 ジョンがマイケルに退去の段取りをつけようと連絡したところ、マイケルはこう言いました。

「書類を確認したけど、俺は契約する時『事前説明書の交付』を受けてないから、退去しないよ」と退去を拒否してきたのです。