裁判所の決定は? どう対策すればいい?
「売買の仲介をしただけなのに、定期借家契約の書類の不備の責任取らされるの?」って思いますよね。結論からいうと、裁判所は288万円の損害賠償を認めたんです。
理由が気になりますよね。ここは実務でも超重要です。
媒介業者は買主に対する宅建業法上の説明義務があるのは当然ですが、それだけではなく、媒介を依頼した売主に対しても媒介契約上の注意説明義務を負っているのです。
今回のように定期借家契約が結ばれているような物件を売買するのであれば、期間満了で必ず退去すると期待すること自体、楽観的過ぎるのです。
このような場合は、万が一退去しなかった場合に売買契約をどうするのでしょうか。
・白紙解約
・決済延期
・代金減額
これらのことを予め特約で決めておくことが望ましいようです。
定期借家契約を結んでいる物件は、意外と売買するケースがあります。賃借人が退去する前提で、購入後買主が実需で使う目的で買うわけです。
このような売買を媒介する時には、定期借家契約の必要書類が全部そろっているかどうかを確認するのはもちろんのこと、「もし退去しなかった場合にどうするのか」まで決めておく必要があります。
こうした注意説明義務を媒介業者は売主に対しても負っているということです。実務をやっている方、肝に銘じておきましょう。