自衛隊で繰り返される
「食」を巡る懲戒処分

「カレー食べて懲戒処分」の自衛隊、間食も充実の在日米軍との悲しい格差写真はイメージです Photo:PIXTA

 京都府舞鶴市の海上自衛隊第23航空隊所属の40代の防衛事務官の男性が、食事の支給対象外なのに、2年間にわたり毎週金曜日にカレーライスを食べ続けたとして、防衛省は3月28日、事務官を停職4日の懲戒処分にしたと発表した。

 さらに、青森県むつ市の海上自衛隊、大湊地方総監部でも同日、幹部自衛官ら男女3隊員の停職処分(4~5日)を発表した。この3人は自ら食堂を利用するだけでなく、食事の支給対象外の部下の飲食も黙認したとされる。

 自衛隊員が「食」により処分されるケースは過去にもある。

 2021年4月23日、静岡県御殿場市の陸上自衛隊駒門駐屯地で幹部自衛官(40代男性)が懲戒免職処分となった。この幹部自衛官は同食堂で申請することなく5回昼食を食べた。代金未払い飲食の調査でこの幹部は「後から申請しても大丈夫と思った」と事実を認めた。その後に約2000円の食事代を支払ったが、最終的には駐屯地食堂で無銭飲食は51食(1万7000円相当)だったという。懲戒免職となると、退職金も満額支払われないし、その後の就職にもこの問題が付きまとう。2万円にも満たない食事代は想定外の高い出費となったはずだ。

 21年10月19日、航空自衛隊那覇基地で施設内の食堂で、パンと納豆を既定量以上食べたことで3等空佐(40代男性)を停職処分(10日)とした。この被害額はパンと納豆(計175円)が複数回と報じられている。分配量を超えるパンと納豆を取った理由について、その3等空佐は「配食の量が少なく感じたため、多く取った」と説明した。これに対し、SNS上では「ご飯くらいおなかいっぱい食べさせてあげて」という声が数多く上がった。