できる上司が「自信のない部下」を動かす話術、声掛けの4ステップを伝授写真はイメージです Photo:PIXTA

クライアントに謝罪に行く、与えられた課題にチャレンジする……こちらから見ると「そこまで躊躇(ちゅうちょ)することだろうか?」と思うようなことに、「できない」「大変そう」などと、相手がなかなか動こうとしてくれないことがある。こうしたときに、相手を励まし、実行に移してもらうにはどうしたら良いのだろうか? 元カリスマ予備校講師で、現在、東京大学大学院で「認知科学」をベースとした研究も行う犬塚壮志氏によれば、そういった人を動かすには、声の掛け方にコツがあるという。(教育コンテンツプロデューサー/株式会社士教育代表取締役 犬塚壮志)

自信がなさそうな相手にどんな声掛けをすればいいか

「どうにかしてやってもらいたいんだけどなぁ。でも、こんなに自信なさそうな感じだと、どう伝えればいいか、分からないなぁ……」

 部下や後輩、生徒や自分の子どもが何かに躊躇(ちゅうちょ)していて、なかなか動いてくれなくて困った、という経験はないでしょうか。声を掛けようにも相手はすっかり自信をなくしていて、今の状況を打破させるのが難しい……。

 自分だったらすぐにできそうなことでも、相手にとってはすごく高い壁に感じられる。こうした「ギャップ」は、特にベテラン社員と若手社員の間に生じやすいものです。このようなギャップを解消するために、どのような声掛けをしていけば相手が動きだしてくれるのか、悩んだことがある方もいることでしょう。

 私自身も、予備校講師として生徒への声掛けで、同じような悩みを抱え、そしてひどい勘違いもしていました。講師と生徒には、知識や経験に大きな差があるためです。