「なんだか、いつも駆け引きに負けている気がする……」。商談の場の駆け引きや交渉ごとに対する苦手意識はないだろうか?「商談などで必要な交渉力は、先天的なものではない」というのは、元カリスマ予備校講師で、現在は東京大学大学院で認知科学をベースとした研究も行う犬塚壮志氏。犬塚氏によれば、駆け引きが苦手な人でも、交渉を有利に進めることができる秘けつがあるという。(教育コンテンツプロデューサー/株式会社士教育代表取締役 犬塚壮志)
なぜ、相手にだけ都合の良い条件が残るのか
「なんだか、モヤモヤするなぁ……」
「いつも、あの人のいいように言いくるめられている気がする……」
商談などの駆け引きの後で、このような感覚を味わったことはないでしょうか。自分が希望する条件はなぜか満たすことができず、終わってみれば相手にとって有利な条件ばかりが残っている……。ビジネスをしていれば、大なり小なり、後味がすっきりしない商談を経験したことがあるのではないかと思います。
なぜ、このようなことが起きてしまうのでしょうか?原因の一つに、「交渉力」の差が考えられます。相手の交渉力のほうが強いと、当然のことながら、自分の望むような結果は得られにくくなってしまいます。
実は私自身、交渉力が脆弱(ぜいじゃく)だったために、何度なくビジネスの現場で駆け引きにしくじり、苦渋を味わってきました。