
不眠症に対する認知行動療法(CBT-I)は、不眠症を有する高齢者の大うつ病性障害(以下、うつ病)の発症や再発の予防に有効であるとする研究結果が、「JAMA Psychiatry」に11月24日掲載された。
米カリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)のMichael R. Irwin氏らは、高齢者の不眠症に対するCBT-Iがうつ病の発症や再発に有効であるのか否かを、不眠症に対する治療法として確立している睡眠教育療法(SET)との比較において検討した。対象は、過去1年間にうつ病や健康上の問題がなかった60歳以上の不眠症患者291人(平均年齢70.1歳、女性57.7%)。これらの対象者を、2カ月間にわたってCBT-Iによる介入を受ける群(156人)とSETによる介入を受ける群(135人)にランダムに割り付け、介入終了から24カ月後と36カ月後に追跡調査を行った。主要評価項目は、追跡期間中のDSM-5に準拠した構造化面接で診断されたうつ病の発症・再発までにかかった時間、副次評価項目は、うつ病の発症・再発前までに、または追跡期間中に認められた不眠症の寛解が持続していることとした。