ウクライナ侵攻、2カ月
国連も解決能力持てない事態
ロシアによるウクライナ侵攻から2カ月がたとうとしている。
これまでも、世界中で武力紛争は起きてきた。大国による武力介入もあったし、国連軍や多国籍軍の介入によって紛争を解決した事例もなかったわけではない。
しかし今回の事態は、核兵器を保有する超大国、国際秩序の維持に責任を持つべき立場にある国連安保理常任理事国が、自ら国際法も国連憲章も踏みにじって主権国家(隣国)に対して公然と軍事侵攻を行う、という、これまでの紛争とは全く次元の違う深刻な事態だ。
紛争当事国が拒否権を持つ超大国なのだから、論理的に考えて国連は紛争解決能力を持ち得ない。
コロナパンデミックに続いて、またしても戦後世界は大きな危機に直面していることになる。そしてこの危機は、戦後世界の秩序そのもの、それを支えてきた自由と民主主義という価値観の危機でもある。
だが民主主義の危機は、西側民主主義国家自体でも起きていることを認識する必要がある。