独裁Photo:PIXTA

 中国やロシアにとどまらず、本来は民主主義国であるトルコやブラジルなどでも強権的統治が強まっている。

 世界での強権体制の広がりは格差拡大などを背景にしたポピュリズム的な政治傾向にコロナ・パンデミックが拍車をかけている面も否めない。

 日本でも「官邸一強体制」の下で権力をチェックする機能が薄らいでいる。

「民主主義的統治と強権主義の闘い」は、国家間だけでなく民主主義国家の中でも広がっている。

統治体制を巡る論議は変化
民主主義的統治は勝利できるのか

 統治形態を巡る論議はかなり変化しつつある。

 米国を中心とする西側民主主義体制は冷戦に勝利し、ソ連の共産主義体制を打ち破ったが、冷戦終了後30年が経過し、民主主義統治が圧倒的に優れているとはいえない事象が起こってきた。