50代から輝く人は何が違う?「会社に囚われない生き方」を目指すにはシニア社員をひとくくりに「使えない」というのは、間違いだ(写真はイメージです) Photo:PIXTA

平均寿命が延びるなかで、退職後のビジネスパーソンはどう生きていくべきか。マイクロソフトやグーグルでエンジニアとして活躍し、複数の企業で技術顧問を務める及川卓也氏は、「会社にとらわれない生き方」を実現するには若い頃からの準備が大切と説く。及川氏の考える、人生100年時代のキャリアづくりとは。

私が「会社に依存しない生き方」を
志向していた理由

 人生100年時代と言われる昨今、シニア世代も会社に縛られない、会社から放り出されても居場所がある、そんな生き方が求められています。こうしたキャリアは、シニアになってから慌てて準備するのではなく、それ以前の20代・30代から考えておいた方がいいと私は思います。

 私自身は若い頃から、「会社に依存しない生き方をすべき」とどこかで考えていました。

 私が大学を卒業して入社したディジタル・イクイップメント・コーポレーション(DEC)は当時、世界第2のコンピューターメーカーで、大変勢いのある企業でしたが、1990年代にその勢いを失います。ちょうど日本でもバブルが崩壊した時期で、日本法人でも早期退職プログラムが年中行事のように実施されていました。優秀な人から抜けていく様子は、まさに「ネズミが沈没船から抜け出す」といった状態でした。

 そんな中で、辞めるに辞められないという人たちもいました。これはDECに限った話ではありませんが、たとえば住宅ローンの支払い補助など、さまざまな制度で会社に依存していた人たちです。特に住宅ローンについては深刻でした。バブル崩壊で住宅の価値が大きく下がったことで、「ローンを返せなくなったら売ればいい」という切り札が使えなくなり、会社を辞めるに辞められない状況にあった人たちは、当時、結構いたのではないでしょうか。