日本に閉じこもらず
「世界」という舞台で戦おう

世界を迎え撃つために、<br />私たちが今起こすべきアクションとは?田村耕太郎氏 エール大学、ハーバード大学元研究員。世界で最も多くのノーベル賞受賞者を輩出したシンクタンク、ランド研究所にて唯一の日本人研究員を務めた。新日本海新聞社相談役。前大阪日日新聞代表取締役社長。国立シンガポール大学公共政策大学院元研究員。‘02年から’10年まで2期参議院議員を務める。2012年12月に中経出版より著書『君は、世界を迎え撃つ準備ができているか?』を出版した。

田村 為末さんは早い段階で、海外のレースに出て行きましたよね。そういう日本のアスリートは、トラック競技では見かけたことがないのですが、どうしてですか?

為末 陸上の普段の戦場ってヨーロッパにあって、そこにグランプリっていうのがあるわけです。競馬の競走馬が転戦しているみたいな。そこに賞金レースがあって、グレードが三つぐらいあるんですけど、それをずっと転戦してるっていうのが、基本的に世界の選手がやっていることです。

村上 陸上の世界であれば、国内のインターハイ、国体といった大会があり、さらには世界陸上、オリンピックみたいな世界大会があって、そのままひとつながりで、連続的にグローバルな世界で競い合うことが行われていると思います。

為末 そうですね。

村上 でも、ビジネスの世界っていうと、どうしても日本で仕事を始めてというと、国内でなんとかなるかなという錯覚に陥ってしまいます。新卒で入った会社が日本企業なのでその感覚は理解できます。30代で外資に入って、それがグローバルな企業だったというところから、初めて「ひとつながりの世界」を体験できました。これは大きかったですね。