ロシアのウラジーミル・プーチン大統領は、欧州がロシア産の石油や天然ガス、石炭の輸入削減や停止に動き始める中、商品(コモディティー)輸出先の全面的再編を指示。アジア向けの出荷拡大や、東方への新たなパイプラインの建設、鉄道リンクの拡充に乗り出した。しかし、輸出先の再編に取り組む過程でロシア政府は大きな障害に直面しており、制裁の痛手を受けている同国経済へのリスクはさらに高まっている。欧州連合(EU)当局者らは今週、ロシアのエネルギー輸出を減少させることを狙いに対ロ制裁第6弾を準備している。EUの提案の中には、ロシア産石油の段階的な輸入禁止措置のほか、船舶向け保険などのサービス提供面の制裁も含まれている。保険が制限されれば、ロシア産原油の他国の港への海上輸送が難しくなる。
ロシア産石油・金属の危ういアジアシフト
インフラ面の障害や割安価格、不確かな需要が輸出先の再編に影落とす
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