米国防総省は、米中小企業によるイノベーションに資金を提供する政府プログラムを中国が搾取しているとする報告を取りまとめた。米連邦議会はこれを受け、プログラムに申請したIT(情報技術)新興企業の精査を政府当局に義務付ける可能性がある。国防総省による調査は、中小企業の技術革新を支えるSBIR制度を通じ同省から資金を受け取った企業に関し、中国政府が関与する形で標的にされていると指摘。ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)では調査の内容を確認している。2021年4月に取りまとめられた報告書は米連邦議会の議員の間で広く回覧されており、「国家や経済安全保障に影響」を与える可能性がある8つのケースに触れている。中にはSBIR制度で資金を受け取りながら、中国国営企業からベンチャーキャピタル(VC)向け資金も調達し、同国の防衛産業を支える中国企業と協力しているケースもあった。
米政府の新興企業プログラム、中国巡る懸念で精査必要=国防総省
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