――筆者のサメル・アタール氏はノースウェスタン大学ファインバーグ医学部の外科准教授。米国の医療支援団体「シリア系米国人医療協会(SAMS)」でボランティアを務めている。 ***  【ハルキウ(ウクライナ)】ハルキウ(ハリコフ)の病院の外の道には、爆発で生じた複数の穴があった。窓はベニヤ板で覆われていた。患者が病室にいると、攻撃による爆発や飛び散るガラスで危険にさらされる恐れがあるため、広間や廊下は患者であふれていた。  私は米国の外科医だ。最近3週間にわたって、ウクライナの4つの病院で医療ボランティアを務めた。