ハルキウ(ハリコフ)の病院の外の道には、爆発で生じた複数の穴があった。窓はベニヤ板で覆われていた。患者が病室にいると、攻撃による爆発や飛び散るガラスで危険にさらされる恐れがあるため、広間や廊下は患者であふれていた。私は米国の外科医だ。最近3週間にわたって、ウクライナの4つの病院で医療ボランティアを務めた。私は、シリアで戦時の外科治療を経験しており、ウクライナの医師に協力したいと思った。ウクライナで目にした外傷は、シリアでのものと似ていた。つぶれた顔面、飛び出た内臓、手足の喪失、肺をつぶす胸部の傷。これらすべては、強力な爆発による負傷の特徴だ。私がハルキウに到着する前日、病院から100メートルほどの距離にある市場が攻撃され、15人の治療が必要になった。5件の手術が行われ、2人が死亡した。被害者の1人は65歳の看護師だった。彼女は夜勤を終え、2歳の孫と朝の一時を過ごしていた。爆発によって彼女は左足を砕かれ、右足もつぶされた。彼女は両脚を止血されたが、手術室で死亡した。彼女の孫も数日後に死亡した。病院は、私が去った日に再び砲撃の被害を受けた。
【寄稿】ウクライナ医療支援、感じた恐怖と希望
ハルキウで治療した負傷者、シリアのアレッポを想起
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