――筆者のジェラルド・F・サイブはWSJエグゼクティブ・ワシントン・エディター ***  ウクライナにおける戦争が危険な新局面を迎えている。ウラジーミル・プーチン露大統領がもたらしている危険は国家主権の侵害、ウクライナの都市マリウポリを壊滅させた容赦ない攻撃、あるいは民間人の集合住宅への砲撃にとどまらない。  プーチン氏は、過去30年にわたり瓶に閉じ込められていた危険な「核の魔人」を解き放ってしまった。これらの魔人には核戦争のリスクそのものや、核による脅しを政治ツールとして復活させることに加え、他国に核兵器開発を促す新たな動機の出現が含まれる。