ウクライナにおける戦争が危険な新局面を迎えている。ウラジーミル・プーチン露大統領がもたらしている危険は国家主権の侵害、ウクライナの都市マリウポリを壊滅させた容赦ない攻撃、あるいは民間人の集合住宅への砲撃にとどまらない。プーチン氏は、過去30年にわたり瓶に閉じ込められていた危険な「核の魔人」を解き放ってしまった。これらの魔人には核戦争のリスクそのものや、核による脅しを政治ツールとして復活させることに加え、他国に核兵器開発を促す新たな動機の出現が含まれる。ウクライナでの紛争がいつ、どんな形で終わりを迎えるとしても、これらのリスクはこの先、世界に長年くすぶりつづけるだろう。プーチン氏がウクライナ侵攻でつまずけば、そうした効果が薄れる可能性はあるが、それでも排除することはできないかもしれない。
プーチン氏「核の脅し」が生み出す新たな未来
ウクライナ侵攻で核戦争のリスク増大、核拡散の新時代に突入も
有料会員限定
あなたにおすすめ