ロシアがウクライナ侵攻を開始した日、ウクライナを代表する実業家の1人、ブセボロド・コゼミアコ氏(49)は家族とともにオーストリアアルプスでスキーを楽しんでいた。そしてこの週末、部隊指揮官として新たな任務に就いた同氏は、ハリコフの北にある前線の村で、近くの並木道からやってくるロシアの戦車に見つからないよう庭から庭へと駆け回った。コゼミアコ氏は、ウクライナのため戦闘参加を決めたことについて、「私にとっては当然で、他に方法はなかった」とし、「友人は皆ここにいる。他に選択肢は見当たらなかった」と語った。農業起業家であるコゼミアコ氏は、フォーブス誌のウクライナ版によると、約1億ドル(約130億円)の純資産を持ち、2020年の同国富豪ランキングで88位となっている。同氏はウクライナ領土防衛隊第127旅団に中隊規模の特別部隊を立ち上げるため、ハリコフの他の実業家とともに個人資金を注ぎ込んだ。
ウクライナ総力戦、実業家もシンガーも前線に
経験不足を士気の高さで補い戦闘に臨む
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