ソフトバンクグループが5年前に設立した1000億ドル規模のビジョン・ファンドは、ハイテク株の急落に痛手を被っている。設立からこれまでのパフォーマンスは株式市場全体に後れを取る体たらくだ。一世代を築くハイテク巨人の卵に資金を提供することを目的とする同ファンドは設立当時、規模で2位のファンドに比べおよそ30倍の資金を集めた。だが今や、ソフトバンクと孫正義社長は、ハイテク株急落でとりわけ目立つ犠牲者かもしれない。ビジョン・ファンドの保有資産の多くを占める上場株は、年初から5月9日までに半値以下に落ち込んだ。ファンドが資金を確保したのは2017年5月のことだ。ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)の分析によると、ソフトバンクがそうした企業の持ち分を維持していたとすれば、損失は250億ドルを超える計算となる。