東急電鉄Photo:PIXTA

コロナ禍から企業が復活するのは一体、いつになるのだろうか。上場100社超、30業界を上回る月次業績データをつぶさに見ると、企業の再起力において明暗がはっきりと分かれている。前年同期と比べた月次業績データの推移を基に、「嵐」から「快晴」まで6つの天気図で各社がいま置かれた状況を明らかにする連載「コロナで明暗!【月次版】業界天気図」。今回は、1〜3月度の鉄道(私鉄)編だ。

東急電鉄、小田急、京王…私鉄5社
「コロナで20%超減収」継続の実態

 鉄道(私鉄)の主要5社が発表した2022年1〜3月度の月次業績データは、以下の結果となった。

◯東急電鉄(東急)の運賃収入
 1月度:前年同月比115.5%(15.5%増)
 2月度:同101.6%(1.6%増)
 3月度:同106.1%(6.1%増)

◯小田急電鉄の運輸収入
 1月度:前年同月比121.4%(21.4%増)
 2月度:同107.0%(7.0%増)
 3月度:同107.6%(7.6%増)

◯京王電鉄の旅客運輸収入
 1月度:前年同月比115.0%(15.0%増)
 2月度:同101.1%(1.1%増)
 3月度:同104.2%(4.2%増)

◯東武鉄道の運輸収入
 1月度:前年同月比117.2%(17.2%増)
 2月度:同104.6%(4.6%増)
 3月度:同105.5%(5.5%増)

◯西武鉄道(西武ホールディングス〈HD〉)の運輸収入
 1月度:前年同月比113.3%(13.3%増)
 2月度:同102.5%(2.5%増)
 3月度:同103.3%(3.3%増)

 今回取り上げた5社の22年3月度の業績に注目すると、前年比103.3〜107.6%を記録している。いずれも前年実績を超えており、増収を確保しているようにも見える。

 しかし、3月度の表面的な数値を見ただけでは決して分からないが、5社は非常に苦しい状況にある。実はコロナ前と比べると、5社全てが20%超の減収という苦境が今も続いているのだ。業績データを時系列で確認しながら、その理由を深掘りしていこう。