アパレル各社が性別に関係なく着られるジェンダーレスの商品を次々に展開している。背景には、ファッションの好みに対する性差がなくなっていることが挙げられるというが、今後もさらに浸透してビジネスチャンスとなりうるのか。ファッションジャーナリストの宮田理江氏に聞いた。(清談社 田中 慧)
アパレル各社が
ジェンダーレス商品を展開
ボディーラインがわかりにくいゆったりしたシルエットや、癖のない中間色や無彩色のシンプルなデザイン。こうした特徴を持ち、性別にとらわれずに着られる「ジェンダーレス」の商品が、アパレル業界の新たなトレンドとなっているという。
実際にジェンダーレスの装いをする人からは、「体のラインが強調されがちなレディース服を着るのが苦手で、ダボっとした大きめのサイズ感で、かつオシャレにも見える男女兼用のトレーナーを選ぶことが多いです」(20代女性)との声も。
各ブランドの動きを見ても、今年の4月には、「23区」を展開するオンワードホールディングスが男女共に着られるアイテムをそろえたブランド「IIQUAL(イーコール)」を立ち上げており、三陽商会のセレクトショップ「LOVELESS(ラブレス)」も9月から男女兼用のニットやスエットなどを発売している。無印良品でも、2019年から性別や年齢、体形に関係なく着用できるサイズ感の服を売りにした「MUJI Labo」の服が展開されている。
2021年上半期の日経MJヒット商品番付で「ジェンダーレスファッション」が東の前頭に入っていることなどからも、着実に浸透し始めていることがうかがえる。