90年代、多くの若者が訪れていた渋谷は今、東急グループが中心となって大規模な再開発を行っている。次々にオープンするビルには20~30代向けのファッションブランドのテナントが入り、オフィスフロアも併設されるなど、10代の若者はメインターゲットではない。渋谷はこのまま若者の街ではなくなるのか、その歴史とこれからに迫る。(清談社 真島加代)
東京郊外で人口が少なく
のどかな地域だった渋谷
若者の街として広く知られ、さまざまな流行が生まれてきた渋谷。しかし、近年は訪れる人が減っている。JR東日本が発表した「各駅の乗降者数」によると、2012年まで常に乗降者数第3位を維持していたが、2013年以降は5位~7位をさまようようになっている。また、ミニシアター系映画館やライブハウス、アパレルショップなど若者文化を象徴するスポットの閉店・閉館が相次ぎ、若者離れも囁かれるようになった。
このまま“若者の街”としての渋谷は終焉を迎えるのか、そして若者たちは今どこにいるのか。これらの疑問について、まち探訪家の鳴海侑氏に話を聞いた。