納税額は約2000万円か
自己破産でも逃れられず

 所得税の税率は4000万円を超える場合、45%。誤給付の金額から控除額を引いて単純に計算しても、来年の確定申告で約1870万円の納税義務がある。納税できなければどうなるか。

 金額が大きいだけに税務署ではなく、広島国税局課税第1部資料調査課(通称・リョウチョウ)の出番かもしれない。仮装・隠蔽という悪質な手口ではないと認められ重加算税を免れても、納税できなかった場合、無申告加算税(20%)の約370万円が加えられ、計約2240万円。

 国税の延滞金は民法の規定のように優しくはなく、時間が経過するにつれて高くなり、最大で14.6%になる。そうすれば利子だけで年約330万円、月30万円近い支払額になるわけだ。

 言うまでもなく、「納税」は国民の三大義務。民事訴訟で判決が確定しても「一銭も払わずバックレる」というのはよく聞く話だ。しかし、税金は自己破産しようとも一生、免れることはできない。

 使い込んでしまった阿武町の公金を少しずつでも返していくのか、来年から義務が生じる納税を続けていくのか。いずれもバックレて自分の素性を偽り、隠れるように生きていくのか。

 大金に目がくらみ、出来心で背負った十字架は随分と重いものになりそうだ。