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【Twitterフォロワー30万人超の精神科医が教える】<br />お金で承認欲求を満たそうとする人の末路

人の目を気にするお金の使い方

きょうのひとことは、「マウンティング型消費はほどほどに」

お金の使い方を、大きく2つに分けて考えてみましょう。1つは、自分が必要だったり楽しむために使うこと。もう1つは、他人にマウンティングするために使うこと。前者は健全な消費ですが、後者はあまり健全とはいえません。

後者の典型例は、高級ブランド品の買い物ですね。ブランド名やロゴマークが大きく見える洋服やバッグ、腕時計などを身につけて、なんとなく優越感に浸る。自分の生活レベルが上がったような感じもして、ちょっと気分が高揚したりもします。

人の目を気にするお金の使い方

もちろん、自分のお金でなにを買おうと、他人がとやかくいうことではありません。人間って綺麗事だけじゃありませんしね。

ただし、なかにはお金に余裕がないにもかかわらず、マウンティング型の消費を続けてしまう人もいます。やはり、それは歯止めをかけたほうがいいでしょう。

高価なブランド品は、他人にアピールできるとともに品質もいいですから、次から次へと欲しくなりがちです。また、他人が自分よりいいものを持っていると、そちらに目がいってしまうこともあります。そして、それを上回るものを買って、身につけたくなる。

非マウンティング型消費のすすめ

マウンティング型の消費というのは、その行為や思考自体があまり美しくないということもありますが、キリがないことがいちばんの問題です。

キリがないというのは、次から次へといいものを買わないと、幸福感を得られなくなるということです。そして、他人が簡単に到達できないほうが、より満足度が高まりやすいですから、さらにお金が必要になります。

だからこそ「非マウンティング型の消費を心がけましょう」と提案したいのです。つまり、自分が必要だから買う、自分が楽しむために買う。他人がどう思うかを気にしない消費をするということです。

別のいい方をすると、「承認欲求」を満たそうと消費をしないことです。きのうの記事にも出てきた言葉ですが、承認欲求とは、簡単にいうと「人から認められたい」という欲求のことです。基本的には、他人の目を一切気にせず、お金を使うことをおすすめしたいのです。

他人と比較しない

自分がなにかを買いたいと思ったときに、「これはマウンティング型の消費ではないか?」と考えてみて、もしマウンティング型だったらやめるとか、「今回だけにしておこう」と少しセーブするだけでも、だいぶ違ってくるでしょう。

ちなみに、一見するとマウンティング型なのに、じつはそうじゃないものもあります。たとえば高級車や高級腕時計を買う場合でも、他人の目を気にして承認欲求を満たそうとして買うのであれば、マウンティング型かもしれません。しかし、そのものが純粋に好きで買い求めるのであれば、マウンティング型ではないでしょう。

いずれにしても、他人と比較して優越感を抱くためにお金を使うというのは、基本的にはやめたほうがいいです。きりがなくなるし、どんどん出費がかさんでいくし、なにより永遠に満足感は満たされませんから。

きょうのひとことは、「マウンティング型消費はほどほどに」でした。参考になったかしら?

『精神科医Tomyが教える 心の荷物の手放し方』(ダイヤモンド社)にお悩みの解消法があります。