4月1日より、成人年齢が18歳へと引き下げられた。「成人になりたて」をターゲットにした悪徳商法や詐欺が増え、金銭トラブルに巻き込まれる可能性も高まっている。親が息子、娘によく言い聞かせておきたいトラブルに巻き込まれないための「掟」を解説する。(ファイナンシャルプランナー 八木陽子)
「成人になりたて」を狙う
悪徳商法や詐欺が増えている
「投資でかなり稼いでいるすごい人がいる。話を聞いてみる? 誰でも儲かるみたいだよ」
大学の友人からそのような誘い文句を受けたという学生のAさんに、先日話を聞く機会がありました。
Aさんが友人を通じて会った人の説明によると、投資用USBメモリーを使用すると、「1年間で何百倍も儲けることができる。投資用USBメモリーは50万円だけど、すぐにその分は儲かるので問題ない」と言われたとか。ちなみに、Aさんや友人は、誰もが知っているような有名大学の現役学生さんです。
Aさんは、以前から金融に興味を持っており勉強もしていたため、「そんなに簡単に儲かるなんて変だ」と感じ、その場で断りました。でも、金融知識がないとうっかり契約してしまったり、一歩間違えば友人を紹介する加害者になったりするかもしれないと思うと、ぞっとしたと話していました。
これは、USB詐欺と言われるものです。購入した投資用USBメモリーを使って投資をしても、勧誘されたときの説明と違って一向に儲からない。「契約を解約し、返金してもらうにはどうしたらよいか」という相談が消費生活センター等に多く寄せられ、詐欺の全貌が明るみに出ました。
このように、成人した学生等を狙って契約させる悪徳商法の勧誘が増えています。さらに、今年の4月には、成年年齢を20歳から18歳へ引き下げる民法の一部を改正する法律が施行されました。
なぜ、成人すると狙われるのでしょうか。今回は、成人(法律上は成年といいます)とは何か、そして、成人になると何が変わるか、どんなふうに注意するべきかを考えてみましょう。