生きていれば、不安や悩みは尽きない。寝る前に考え込んでしまって、眠れなくなるなんてことも……。そこで参考にしたいのが、感動小説『精神科医Tomyが教える 心の荷物の手放し方』(ダイヤモンド社)だ。
ゲイのカミングアウト、パートナーとの死別、うつ病の発症……苦しんだ末にたどり着いた自分らしさに裏づけられた説得力ある言葉の数々。とても読みやすいオムニバス形式の8つの物語は、気づかぬ間に心の荷物を抱え込んで苦しくなったとき、そっと心の荷物を手放すための優しい言葉を授けてくれる。
voicy「精神科医Tomy きょうのひとこと」の心がスッと軽くなる“言葉の精神安定剤”で、気分はスッキリ、今日がラクになる!
つらい思いをしなくなる考え方
きょうのひとことは、「上手くいくも、いかないも、御縁あってのこと」
先日、近所のおじいさんのお話に、とても感銘を受けました。それは、こんなお話です。
ある日、遊びに出かける予定を立てていたのですが、その日の天気予報が雨になったから、予定をキャンセルしたそうです。でも、天気予報ははずれ、当日になってみると快晴で青空が広がっていたそうです。そのとき、おじいさんは、どう思ったか?
「雨が降るか降らないか、ソワソワしながら当日を迎えるよりは、早めに予定をキャンセルしておいてよかったよ」
些細なことのように思われるかもしれませんが、これはとても本質的で、とてもよい考え方だと思ったんです。なぜなら、こういう考え方をしていると、必要以上につらい思いをしなくて済むからです。
余計なストレスをためない
せっかく楽しみにしていた予定なのに、当日になると大雨。結局、キャンセルせざるをえない状況になって、ちょっと悲しくなった。これと似たような経験は、誰しもあるのではないでしょうか? だからといって、雨が降りそうだからと予定をキャンセルしたのに、当日になってみたら快晴になると、これまた悔しい思いをするでしょう。
そこで、このおじいさんの考え方です。雨が降ったら嫌だなとソワソワくらいだったら、当日晴れたとしても、思い切ってキャンセルしておいてよかった。
自分の状況を客観的に見つめられて、「まあこんなもんでしょ」とおおらかに考えられるというのは、余計なストレスをためずに生きやすいということでもあるんです。
執着を手放す
おじいさんの話は、見方を変えれば「執着を手放す」ということでもあります。「自分の思ったようにならなかったから、悔しい」というのは、そのことに対する期待や執着が強すぎるから生じることです。だから、どうしてもこだわりたいこと以外は、「まあこんなもんでしょ」とおおらかに考えて、また次の機会を待つくらいがちょうどいい。
アテクシは「御縁」という言葉が好きで、よく使うのですが、物事が上手くいったときは、そのことに「御縁があった」と思えばいいし、上手くいかなかったら「御縁がなかった」と考えればいいだけのこと。
「上手くいかなかったことには、上手くいかなかったことの意味があるんだ」と考えて、先につなげる。そして、「また次の御縁が来るかもしれないよね」と思っておくことです。
きょうのひとことは「上手くいくも、いかないも、御縁あってのこと」でした。参考になったかしら?
※『精神科医Tomyが教える 心の荷物の手放し方』(ダイヤモンド社)にお悩みの解消法があります。