生きていれば、不安や悩みは尽きない。寝る前に考え込んでしまって、眠れなくなるなんてことも……。そこで参考にしたいのが、感動小説『精神科医Tomyが教える 心の荷物の手放し方』(ダイヤモンド社)だ。
ゲイのカミングアウト、パートナーとの死別、うつ病の発症……苦しんだ末にたどり着いた自分らしさに裏づけられた説得力ある言葉の数々。とても読みやすいオムニバス形式の8つの物語は、気づかぬ間に心の荷物を抱え込んで苦しくなったとき、そっと心の荷物を手放すための優しい言葉を授けてくれる。
voicy「精神科医Tomy きょうのひとこと」の心がスッと軽くなる“言葉の精神安定剤”で、気分はスッキリ、今日がラクになる!
復讐心は自分をつらくするだけ
きょうのひとことは、「仕返しは割に合わない」
きょうのテーマは「復讐」です。復讐というのは、簡単にいうと「仕返し」のこと。「報復」ともいいますね。
仕返しする人、もしくは仕返ししようと思っている人は、相手への苛立ちや執着を強く抱いています。その思いが強ければ強いほど、なにより自分自身をつらくさせてしまうんです。
そもそも、ひと言で「復讐」といいますが、結果として、その仕返しというのは、実を結ぶのでしょうか?
いちばん効果を発揮する仕返しとは?
仕返しというと、「相手にダメージを与える」ということが頭に浮かびがちです。恨みつらみが募って、犯罪に発展してしまうことだって、世の中にはたくさんあります。果たして、その仕返しは、実を結んだといえるのでしょうか? そうとはいえませんよね。
いちばんの仕返しというのは、その人とまったく関わらないようにすることなんです。物理的な交流を絶つということもそうなのですが、「相手のことを一切考えないようにする」という心理面でも交流を絶つことです。
もちろん、相手に強い苛立ちや執着を抱いているわけですから、一切考えないようにするのは難しいでしょう。それでも、まずは「考えないようにしよう」と意識すること自体が大事なのです。
相手にダメージを与えても、気が晴れることはない
「相手にダメージを与えたい」「でも、できない」――そんな復讐心が募って、つらくなることもあるでしょう。相手に執着して、復讐心を抱き続けること自体が不健康だし、人生を楽しくないものにしてしまいます。
もし、一般的な意味での仕返しをして、相手にダメージを与えたとしても、気が晴れることはないでしょう。仕返ししたら、その相手から報復を受けることになるかもしれません。そうしたら、またやり返しますか?
そんなことに時間と労力を費やすくらいなら、最初から「一切関わらない」「一切考えない」という形で復讐するのがベストだと思うのです。要するに「無関係になる」「縁を切る」という仕返しです。
相手の居場所を奪うという愚行
一般的な復讐というのは、相手をとことんまで追い詰めようとする行為です。それはつまり「相手の居場所を奪う」ということでもあります。
しかし、仮にケンカをしたりお説教をしたりするとしても、決して相手の居場所を奪ってはいけないのです。相手の居場所を奪うと、「背水の陣」でなにをしてくるかわかりません。恨みつらみも増幅するでしょう。
それは自分自身がつらくなる状況に、自ら追い込むような愚かな行為なのです。復讐というのは割に合わない行為だということを胸に刻んでおきましょう。
きょうのひとことは、「仕返しは割に合わない」でした。参考になったかしら?
※『精神科医Tomyが教える 心の荷物の手放し方』(ダイヤモンド社)にお悩みの解消法があります。