「相手を主人公とした会話」を使えば、口ベタな営業マンもみるみる成績アップ。信頼と成果を勝ち得ることができる話し方のテクニックとは。話し方講師の野口敏氏の新著『またすぐに!会いたくなる人の話し方』からの一部抜粋で、仕事や人間関係に役立つコミュニケーションの極意を紹介していく。
一流の証券マンが犯した
商談での失敗とは
実は先日、「相手を主人公にした話し方」がいかに大事か、この身をもって知る出来事がありました。
私は、証券会社と小さな取引があります。その担当者が最近代わりました。
引継ぎに訪れた営業マン。会社は超一流ですし、彼の肩書も立派でお話も上手。自分に自信があるということが、その話しっぷりから伝わってきます。
引継ぎの時に、
「1ヵ月後に新刊本を出します。伝え方の本ですから、営業の人にも関係が深いです。その本が売れたら、また何かの株を買うかもよ」
と彼に言ってありました。
ちょうど新刊本が出た頃に、彼から電話が。
「利益の出そうなお話がある」と。しかし、私の新刊本については、何のコメントもありません。
私はアポイントを入れることもなく、彼の申し出をお断りしました。