外国人の「脱マスク」を
「真面目な日本人」は許容できるか
「おい、みろよ!あの外国人、電車なのにマスクしないでベラベラしゃべってるぞ」
「ふざけやがって、最近ちょっとずつ感染者が増えているのもみんなあいつらのせいだ…もう許せねえ、オレ、ちょっとガツンと言ってくる」
――そんな調子で近い将来、外国人観光客と「マスク」をめぐるトラブルが増えていくかもしれない。2年にわたって「観光鎖国」をしてきた日本がいよいよ「開国」に転じたからだ。
6月1日、入国者数の1日あたりの上限が2万人に倍増された。さらに今月10日には、団体旅行を対象にした外国人観光客の受け入れも再開される。政府としては段階的に規制を緩和して、いずれ個人旅行も認めてインバウンドの本格的な復活を目指していくというわけだ。
そんな皮算用をする中で懸念材料とされているのが、「マスクをしない外国人観光客」問題だ。ご存じのように、ヨーロッパ諸国、アメリカ、南米、オーストラリアなどでは元々マスク着用を嫌がる人が多い。そこに加えて、政府によるマスク規制も撤廃されて、「脱マスク」が一気に進んでいる。
対して日本では、政府が「屋外は外してもいいですよ」と呼びかけても、ほとんどの人は律儀にマスクをつけている。実際、Job総研を運営するライボが先月、20〜50代の男女708人に調査をしたところ、なんと87.3%が「続ける」と回答をしたという。そんな「マスク信仰」の強い国民のもとに、「マスクをしない外国人観光客」が大挙として押し寄せたら、互いに「衝突」するのは目に見えている。
当初やってくる団体旅行の多くは、日本と同様にマスク着用を続けている中国、韓国が多いのでマスク関連のトラブルはないだろう。しかし、個人旅行が増えていけばこの問題は必ず表面化するので、タイミングによってはせっかく回復してきたインバウンドの足を引っ張るようなことになってしまう恐れもあるのだ。
では、どうすればこの「マスクをつけない外国人観光客」問題を解決できるのか。