日本の実質GDPが伸びていないことは、今や誰もが知るところとなっている。なぜこんなことになってしまったのだろうか。さまざま原因が考えられるが、今回は、日本の資本ストックに焦点を当て、データから原因を探ってみたい。(名古屋商科大学ビジネススクール教授 原田 泰)
日本のGDP成長は
G7で最低クラス
日本経済がうまくいっていないことは今さら言うまでもないだろう。日本の実質GDPが伸びていないことは誰でもが知っている。
確認のために、図1に、1995年を100とした日本と他の主要国の実質GDPを示しておく。2020年、21年はコロナの混乱があるので、19年を平常時の成果とすれば、アメリカ、カナダが180に達しようとしているのに、日本は120にしかなっていない。イタリアは日本より低いが、イギリス、フランス、ドイツは140から160程度にまで成長している。
なぜこんなことになってしまったのだろうか。もちろん、原因は色々あるが、ここでは日本の資本ストック(純固定資産ストック)が伸びなかったことについて考えたい。
日本経済が停滞する理由
資本ストックがカギ?
ここで、経済停滞と資本ストックの関係に着目してみよう。