ビジネスリーダーのスキル向上に「メタバース」が最高の実験場である理由Photo:PIXTA

仮想空間メタバースのビジネス利用が進んでいる。三次元の商品や製造現場でのみ役立つと思われがちだが、実はこのメタバース、ビジネスパーソン、特に今日のリーダーが直面している課題の解決にとても役立つのだ。(モチベーションファクター代表取締役 山口 博)

メタバースがリーダーのスキル向上に役立つワケ

 インターネット上に構築された三次元の仮想空間、メタバースのビジネス利用が進んでいる。

 メタバース内で買い物ができる仮想伊勢丹新宿店、労働災害をVR(バーチャル・リアリティー、仮想現実)で疑似体験できる明電舎のVR安全体感教育、360度自在にモデルハウス内を見学できるさいが設計工務メタバース支店など、用途はさまざまだ。

 メタバース空間では、上下、前後、左右を自在に見渡すことができ、三次元で立体的に商品を捉えることができるので、体験の満足度は格段に高まる。

 ただ、まだ利用が少しずつ増加し始めたばかりということもあってか、「当社はサービス業で、物を売っているわけではないので関係ない」「工場を持っていないので、現場での事故の再現は必要ない」といった不要論も少なくない。

 確かに、現時点では商品や工場現場のシミュレーションなどへの活用がほとんどだ。しかし、実はメタバースには、全てのビジネスパーソン、特にリーダーの能力を格段に高める要素が組み込まれている。現在のビジネスパーソンが抱える課題を踏まえ、リーダーの能力向上にメタバースがどう活用できるのか見ていこう。