日本企業の営業利益4割増も給与増は2%台、「史上最高益決算」を喜べない理由 2021年度の企業の営業利益は41%増の記録的な伸びだが、コロナ禍で前年度に落ち込んだ反動増だ。今後はウクライナ問題などによる原材料輸入価格の高騰で落ち込む可能性が高い(写真はイメージです) Photo:PIXTA

21年度の営業利益、対前年度比41%増
法人企業統計でも記録的な伸び

 1日に発表された法人企業統計調査によると、2021年度(2021年4月~22年3月)の法人企業の営業利益は、対前年度比40.57%増という記録的な伸びになった(金融機関を除く全産業、全規模)。

 上場企業の22年3月期決算は史上最高益の決算と言われたが、同じことが、法人企業統計調査の数字でも確かめられたことになる。

 しかし、これは前年度のコロナ禍による売上高などの落ち込みからの反動増に過ぎず、今後とも利益の増加が続くわけではない。

 ウクライナ軍事侵攻や対ロ制裁などによるエネルギーや穀物などの輸入価格高騰を考えれば、今後は減る可能性が高い。

 他方で、決算関連のニュースではあまり伝えられなかったこともある。

 それは、営業利益が高い伸びを示す半面で、21年度の従業員の給与・賞与総額は、全産業・全規模で対前年度比2.78%の伸びに止まったことだ。