生き残るために
最も重要なこと
他にも注意点はいくつかある。
他人に助けを求めるかどうかについては、「付近に警察官がいる場合などは判断が異なるが、避難時には叫んだりしないようにしましょう。テロリストがその声を聞き、あなたを狙うかもしれません」という。
また逃げる際には身なりも重要だ。
「ハイヒールを履いている人の場合、走りやすさを考えれば脱いだほうがいいですが、一方で素足での移動にはけがのリスクがありますので、状況を見て判断すべきでしょう。そして、(頭部を覆うためのバッグなどを除く)荷物はその場に置いていくことが基本です。逃げる際の邪魔になりますし、逃げる人たちが殺到している出口で他の人にも迷惑になります」
どこへ逃げるかについては「日頃から行く場所であれば、非常事態が発生した際にどこへ逃げたらよいのかを確認しておきましょう。また、初めて訪れる場所でも、非常口や全体の配置を訪問時にざっくりでいいので把握する習慣をつけておくと、万が一の事態に役立つでしょう」という。
では、現場から逃げることがかなわず、テロリストに人質として拘束されてしまった場合に重要なことは何か。
「状況にもよりますが、可能な限り通信手段は確保しておくことが大切です。自分の状況を治安機関等に通報できるチャンスがあるかもしれませんし、電話をかけられなくても緊急事態を通知できるサービスも普及しています。また、誘拐やテロのリスクに備えて、位置情報確認ツール(サービス)などを登録しておくとよいでしょう」