海上自衛隊女性差別が当然の自衛隊で、見出した出世の活路とは?(写真はイメージです) Photo:PIXTA

女性自衛隊幹部として
退官後に教育界へ転身

 厚生労働省による「令和2年簡易生命表」によると、日本人の平均年齢は48.4歳。男性の平均寿命は 81.64歳、女性は 87.74歳だ。少子高齢化が進む中、高年齢者雇用安定法の改正により、2025年からは定年制を採用しているすべての企業で65歳までの定年延長義務が課せられる。さらには「70歳までの定年引き上げ」「70歳までの継続雇用制度」も努力義務となる。

「女子トイレ不足」の自衛隊で、女性幹部の草分けが味わった“屈辱と転機”竹本三保氏

 定年退職後も健康寿命は長くなり、社会のニーズが変化し続ける中で、求めに応じて変身していかなければ企業もビジネスパーソンも生き残れない。

 一方、自衛隊員は50代で定年することが定められている。そのため、多くの自衛隊員は退官後、年金受給年齢まで再就職を試みるが、50代で新たな仕事に飛び込むのは難しい。自衛隊員としてのスキルがそのまま発揮できる再就職先は少なく、体力は年齢とともに衰退する。定年後の再就職では、これまで培った力をベースに、新たな職場ニーズを見いだすしかない。

 この難題をクリアして、見事にキャリアチェンジに成功した女性がいる。女性海上自衛官幹部の草分け的な存在である竹本三保海上自衛隊元一等海佐がその人だ。