「名ばかりガバナンス」の会社を見抜く5つのチェック項目、専門家が解説Photo:PIXTA

今年4月に行われた東証再編。新たに誕生した三つの市場のうち、プライム市場では特に厳しいガバナンスの基準が設けられた。投資家としても企業のガバナンスが機能しているかどうか、きちんと見極めなければならない。特集『会計サミット2022』の#3では、チェックしておきたい五つの具体的なポイントについて、日本ガバナンス・企業価値研究所の所長で経済アナリストの高辻成彦氏が解説する。

上場企業のガバナンス
「危ない兆候」が表れる五つのポイントとは?

 2022年4月4日より東京証券取引所の市場区分の変更がなされ、プライム市場、スタンダード市場、グロース市場の三つの新たな市場区分がスタートした。

 旧・東証一部の区分にあたるプライム市場に上場する各社は、引き続き上場維持を果たすべく、IR(投資家向け広報)やガバナンスの改善に努めている。

 ただ、より厳格な基準が設けられることになったとはいえ、ひとまず市場区分が決定したことで企業側が安心してガバナンスの悪化が生じてしまう懸念もある。投資家やビジネスパーソンは、上場企業のガバナンス面で、どんなところを注視しておけばいいのだろうか。チェックしておきたい五つの注意点について解説しよう。