ブラックロックの70人、世界の株主を代弁Photo:Roy Rochlin/gettyimages

 米資産運用大手ブラックロックは投資家に代わって年に何万件もの議決権を行使している。その責任を担うのは約70人から成るチームだ。

 株式指数に連動するブラックロックのファンドを通して株投資を行っている人は非常に多い。こうしたパッシブ投資の人気が高まるにつれ、世界1万3000社に投資するブラックロックの持ち分も拡大している。同社の投資スチュワードシップ部門の影響力も拡大している。

 ブラックロック全体の社員数およそ1万8400人からすればごく小さい同部門が、4兆6000億ドル(約621兆5500億円)規模の同社パッシブファンドの投資家の関心に対処している。役員報酬や気候変動、人工妊娠中絶など取り扱う問題は多岐にわたり、取締役を退任させ企業の意思決定を覆す力をもつ。

 同社の投資スチュワードシップ部門は昨年、電子メールや電話、会合の形で2300社に関与し、最終的に1万7000の株主総会で16万5000件の議案に投票した。

「大きな力を手にしていると思えるときがある」。同部門にかつて所属した元アナリストはこう話す。