ロッテ本社ビル看板Photo:JIJI

ロッテホールディングスの2022年3月期決算は、2期ぶりの最終黒字を確保したことがダイヤモンド編集部の取材で分かった。黒字復帰で21年6月に社長に就任した玉塚元一氏の新体制は上々の滑り出しに見えるが、ある「会社提案」や「お友達人事」に不満が渦巻いている。(ダイヤモンド編集部 山本興陽)

ロッテHDが404億円の黒字復帰も
コロナ禍前と比較で低空飛行が続く

 黒字復帰も「会社提案」や「お友達人事」に不満噴出――。

 菓子大手ロッテなどを傘下に持つロッテホールディングス(HD)の2022年3月期決算の最終利益は404億円で、2期ぶりの最終黒字を確保したことが分かった。21年3月期は新型コロナウイルス感染拡大に伴う韓国事業の不振などの影響で、07年のHD設立以降で最悪となる1012億円の最終赤字に陥っていた。

 ロッテHDは非上場企業で、例年ならば7月ごろに決算公告を公表する。ダイヤモンド編集部は6月29日に行われるロッテHD定時株主総会に向けて株主に公開した招集通知を入手した。

 通知の「連結計算書類」によれば、22年3月期の連結売上高は前期から1兆191億円増の6兆689億円。親会社株主に帰属する当期純利益は404億円を計上した。

 足元の業績は回復しているものの、20年3月期の最終黒字は812億円で、コロナ禍前の約半分の水準に留まり、“低空飛行”が続いている。

 ロッテHDは21年6月、ユニクロなどを運営するファーストリテイリングや、コンビニ大手のローソンの社長を歴任した”プロ経営者”の玉塚元一氏を社長に招へいした。

 黒字復帰を果たし、上々の滑り出しのように見える玉塚新体制だが、今回の株主総会のある“会社提案”に不満が噴出している。

 次ページ以降では、ロッテ社内に“不協和音”を生んでいる会社提案と人事の詳細を明らかにする。