ロッテホールディングスの新社長に、ファーストリテイリングやローソンの社長を務めた玉塚元一氏が就任する。中核事業会社ロッテの株式上場はグループの悲願だが、二つの壁が待ち受けている。(ダイヤモンド編集部 山本興陽)
大物経営者に愛されてきた新社長は、「三度目の正直」を実現できるか――。
菓子大手ロッテなどを傘下に持つロッテホールディングス(HD)は、6月下旬の株主総会を経て玉塚元一氏が代表取締役社長に就任すると発表した。重光昭夫会長兼社長は会長職に専念する。
玉塚氏は、ユニクロを運営するファーストリテイリングやコンビニ大手ローソンなどの社長を歴任してきた“プロ経営者”だ。2017年からはIT企業デジタルハーツホールディングスの社長を務めており、次なる活躍の場としてロッテグループを選んだことに、業界内では驚きとともに、「ロッテなら納得」と受け止められている。
玉塚氏とロッテグループの関わりは、2000年代前半にさかのぼる。当時、玉塚氏が社長を務めていたファストリは、韓国への出店のため04年、ロッテグループのロッテショッピングと合弁企業、FRLコリアを設立した。05年に玉塚氏がファストリを退社した後も、ロッテグループとの縁が途切れることはなかった。
玉塚氏はその後、盟友の澤田貴司氏(現ファミリーマート副会長)と共に企業再生を手掛けるリヴァンプを立ち上げた。そこで、1号案件として再建に携わったのもロッテグループのファストフードチェーン、ロッテリアだった。
こうした経緯もあり、日韓ロッテグループの最高権力者である昭夫氏と玉塚氏は親密で、「以前からスキー仲間だった」(ロッテ関係者)。このため、今回の社長就任についても“お友達人事”だと社内外から指摘されている。