暗号資産(仮想通貨)会社の一部について財務の健全性が疑わしいとみて幅広い市場が売りを浴びせる中、ステーブルコインで売買高が最も大きいテザーの空売りが増えている。複数の従来型ヘッジファンドがここ1カ月、プロ投資家向けの仮想通貨取引仲介大手であるジェネシス・グローバル・トレーディングを通じてテザーを空売りしている。ジェネシスの法人向けセールス責任者レオン・マーシャル氏は、こうした取引は想定元本で「数億」ドル相当だと述べたが、詳細には言及しなかった。コインマーケットキャップのデータによると、テザーの時価総額は24日時点で約670億ドル(約9兆0700億円)だった。ジェネシスによると、空売りしているのはほぼ欧米の従来型ヘッジファンドだけで、アジアを中心とした仮想通貨会社はこれと逆向きの取引を促進している。