2022年6月のゲーム市場で最も人気が高いタイトルの一つは、幻想的な世界が広がるアクションアドベンチャーゲームでも、視覚効果に圧倒されるマルチプレーヤー・シューティングゲームでもない。それは仮想(バーチャル)冷蔵庫の中にミルクやその他の食材を詰め込むだけのモバイルゲームだ。トルコ・イスタンブールに拠点を置くロリック・ゲームズが制作した「フィル・ザ・フリッジ」は、いま人気上昇中の「ハイパーカジュアル」と呼ばれるジャンルに属するゲームだ。その特徴は超シンプルな遊び方、反復的な低リスクの課題、基本的なグラフィックス、広告に大きく依存するビジネスモデルにある。ハイパーカジュアルゲームは、ほんの数秒でプレー方法を覚えられ、多くの場合は説明書も要らない。中にはゲームという感覚すら持たないものもある。自律感覚絶頂反応(ASMR)と呼ばれる、五感を刺激して心地よさを引き出す動画のトレンドを応用し、仮想世界でネイルを塗ったり、気泡シートをプチプチしたり、物体をスライスしたりする。
超単純なモバイルゲームが人気急上昇、複雑化も
ゲーム会社は、気まぐれだがマネタイズできるプレーヤーを引き留めようとしている
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