米連邦最高裁判所が人工妊娠中絶を憲法上の権利と認めた判決を覆したことを受け、民主党議員やバイデン政権の一部高官は、ジョー・バイデン米大統領がより強力な対抗策を打ち出さないことに不満を募らせている。民主党はこの判決を11月の中間選挙の争点にする構えを見せている。最高裁がロー対ウェード判決を覆した翌日、バイデン氏は二つの世界的な首脳会議に出席するため、5日間の欧州歴訪に出発した。事情に詳しい複数の関係者によると、同氏が不在の中、政府は詳細な計画やメッセージ戦略の策定に取り組んでいる。カマラ・ハリス副大統領などはより具体性のあるものを求めているという。全米50州の約半数が中絶の一部あるいは大部分を禁じたり禁止に動いたりしている中、民主党はホワイトハウスに対し、より劇的な措置を打ち出して最高裁判決に対抗するよう迫っている。