前出の建部氏が、相場の新サイクルにおいて重要と考えるのは、「世の中のニーズを満たしながら成長できる企業なのかどうか」というポイントだ。これが持続的に利益を出せるかどうかにも直結し、投資家が銘柄を選別する上で厳しく問われていくことになる。

 加えて、今後5年の株式投資を考える上で、念頭に置いておくべきいくつかの重要なキーワードがある。

以前から脱炭素とDXが
市場の二大キーワード

 まず、足元の1ドル=135円程度まで、年明け以降一気に20円ほども進んだ「円安」だ。米連邦準備制度理事会(FRB)が利上げに動く一方、日本銀行は金融緩和を継続する方針を示しており、金融政策の方向性の違いから、今後も日米金利差は拡大する可能性が十分ある。円相場は中長期的に、一段安も取り沙汰されているのだ。

 さらに、ロシアのウクライナ侵攻で弾みがついた原油や穀物などの「資源高」。これが大きく作用しているほか、コロナ禍からの経済再開に伴うサプライチェーンの混乱などが影響し、国内外で歴史的水準の「インフレ」が進行中だ。

 FRBがインフレ退治に向けた利上げに動いていることもあり、特に世界経済へ大きな影響を及ぼす米国債の「金利上昇」も新潮流として浮上している。

 さかのぼれば、コロナ禍以前から「脱炭素」と「デジタルトランスフォーメーション(DX)」も、長らく市場の二大キーワードとなっている。人口減少が進む中で「生産性向上」や、産業の「再編」も引き続き、日本株のテーマであり続けるだろう。