こうした流れも踏まえ、人気ストラテジストとして知られるみずほ証券の菊地正俊チーフ株式ストラテジストは、日経平均株価で見ると「26年には4万円に達しても決しておかしくない」と話す。

 というのも、22年末の日経平均が3万円ちょうどで終わったとして、今後4年間が年7.5%(14~21年度の年平均増益率)の増益を達成できれば、26年末に日経平均は4万円に到達。1989年末に付けた史上最高値(3万8915円)を超えることになるのだ。

 日本“経済”は相変わらず低成長にあえいでいるが、それと日本“株”の動きは今や、ほとんど別物と考えてもいい。何しろ、グローバル展開する企業も多く、日本企業はこの数年で着実に「稼ぐ力」の地力を向上させてきた。菊地氏はこの先数年で、「日本経済と企業収益のデカップリング(分離)は一段と進むだろう」と話す。

 とはいえ、4万円に達したとしても、“せいぜい足元の1.5倍”に過ぎない。ところが、市場には、テンバガー(10倍株)と呼ばれるような株価の大化けを実現してきた企業も数多く存在する。

 つまり、日本株全体は相場上昇が見込めるとしても、それぞれの銘柄ごとに業績や株価の二極化は不可避。冒頭の新たなサイクルを考えても、今後は銘柄選別の良しあしが一段と重要になることは間違いない。