約30年にわたり給料がほとんど上がらず、円安加速で「ジリ貧」まっしぐらが叫ばれる日本。そんなお先真っ暗に映る中でも、働き口次第では、まだまだ高年収に希望はある。特集『円安・金利高・インフレで明暗くっきり! 株価・給料・再編 5年後の業界地図』(全24回)の#14では、そんな優良企業の姿を明らかにすべく、5年前と比べ平均年収が100万円超増え、社員数も10人以上拡大した上場企業をランキング。事業の拡大とともに、従業員の給料を爆増させてきた大企業をあぶり出した。(ダイヤモンド編集部 竹田幸平)
年収爆上げの優良企業!
「上位2%」をよりすぐり
デフレに長く苦しんだ日本にも、ついに明白な物価高の波が訪れ始めたようだ。総務省が6月24日発表した5月の消費者物価指数(生鮮食品を除くコアCPI)は前年比2.1%上昇。ウクライナ情勢の悪化を受けたエネルギーや食料品の値上がりが円安で増幅され、2カ月連続で日本銀行が物価目標とする2%を上回った。
インフレは本来、物価高と併せて企業収益が改善し、それが賃上げに結び付くサイクルが起きていれば、むしろ歓迎すべきものだ。ただし残念なことに、日本では賃上げの動きが鈍く、大幅に給料が増えることを座して待っていても、期待薄なのはあなたも感づいていることだろう。
それでは、どうやって収入を増やすのか。「投資」が一つの方法であるのは言うまでもない。本特集では、国内外の有望企業を多数紹介してきたので、ぜひ長い目でその果実を狙ってみてほしい。
そしてもう一つ、最近では副業に動く個人も増えてきたが、一気に安定収入の水準を引き上げたければ、当然、「転職」によるキャリアアップも有力な選択肢だ。では、具体的にどの会社なら飛躍的な給料の増加が見込めるのか。
今回はこの問いに答えるべく、5年前と比べて年収のみならず、従業員数も10人以上増えた、従業員300人以上の大企業を抽出。大手企業でも現状に甘んじず、待遇を向上させながら人員を拡大することに成功した一群をあぶり出した。
すると、5年前と直接比較可能な上場企業約3300社のうち、これに当てはまるのはわずか66社。全体の2%にすぎない。
全国に約400万社あるといわれる日本の企業の中でも、上場企業はそもそも限られた存在。さらにその中でも、よりすぐりの企業をランキングにした。
そして、ランキングの首位、2位の企業では、5年で平均年収が300万円以上もアップ。首位と2位の企業を含めて200万円超上がった企業は6社あった。
次ページでは、そんな厳選された66社を具体名でランキング。最新の「年収」序列を一挙に明らかにしていこう。