ロシアは隣国ウクライナへの侵攻を開始する何日か前、穀物と食用油の有力な輸出国であるウクライナの黒海沿岸の一部を事実上封鎖する海上警報を発表した。西側諸国とウクライナの当局者によると、ロシアはその後、軍艦でウクライナの港を封鎖または占拠し、穀物のインフラを破壊し、さらには農民の土地を奪い、ウクライナ産の小麦を国外で販売するために持ち去った。これは、ロシア政府の軍事作戦と並行して行われている地政学的な戦いの一環だという。ロシアによるウクライナ侵攻を受けて、西側の友好国がウクライナ支援で結束する一方、ロシアは食料輸出で自国の影響力が増大していることを利用して国際社会を分断し、中東、アフリカ、アジアの開発途上国に対しても影響力を拡大し、東西冷戦期以来見られなかった形で世界を引き裂いている。西側当局者によると、ロシア政府の目標は、制裁の緩和や停戦交渉を促す手段として食料問題を利用したり、非西側諸国への影響力やこうした国々との貿易関係を構築したり、ウクライナ経済の大きな柱を破壊したりすることだという。
プーチン氏の新たな戦略兵器は食料
ウクライナ産穀物の輸出を管理、ロシアは世界に影響力行使
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