株価の低迷はいつまで続くか、「株の死」は訪れるのかPhoto:PIXTA

国内外で見舞われている株価低迷の状況はいつまで続くのだろうか?難題であることを承知で少々考えてみよう。インフレはいつまで続くか、不況の到来なしで収束するのか。「株の死」と呼ばれた、1970年代に訪れた株価の長期低迷は再び来るのか――。投資家が状況の理解を手助けしようとするささやかなお手伝いとなれば幸いだ。(経済評論家、楽天証券経済研究所 山崎 元)

株価低迷はいつまで続く?
難題に挑戦して考えてみよう

 今年前半、内外の株価は大きく下げた。特に世界の株式市場の中心とも言うべき米国株の動きが冴えない。日本の投資家は近年、外国株式への投資に積極的だが、彼らは円安によって損失が軽減されたのでダメージが意外に小さいかもしれない。ただ、米ダウ工業株30種平均(NYダウ)で見て毎日のように数百ドル単位で上下する株価に落ち着かない思いだろう。こうした状況はいつまで続くのだろうか?

 相場の世界で「いつ?」は、「いくら?」よりもさらに難しい問題だが、不可能を承知で少々考えてみよう。なお、以下、専ら米国の株価について考えるが、日本の株価は長期的には米株との間に優劣のずれが生じるとしても、短期的には強く連動している。米株が上昇するときには日本株も上昇するし、下落するときにも同様だ、と概ね考えていていいだろう。

 付け加えると、投資家の多くは今や「日本株だけ」でなく、海外の株式にも投資する方がいいことを理解している。そして、「世界株式」に投資する場合、その6割程度を占めている米国の株式市場を中心に考えることが必要だ。